最終更新:2024/04/07
トリマーさんの場合、カット面の大きいわんこが対象だけに、昔からスピードアップの欲求は高いです。
ただ、ここ数年、スピードアップの欲求が、益々高まっています。
何故でしょうか?
主な原因は次の2つだと考えています。
ひと昔前なら、「短ければOK」だった飼い主さんの要望が、「可愛くして欲しい」に大きく変化してきている。
⇒結果的に、ハサミの開閉数が激増!!
Q.何故、飼い主さんの要望が「短くてOK」⇒「可愛くして欲しい」になると、ハサミの開閉数が激増するの?
A.例えば、にんじんを切るのだって、「ブツ切り」と、「飾り切り」では、「飾り切り」の方が沢山庖丁を入れなきゃいけないですよね?
それと同じで、デザイン(可愛さ)にこだわればこだわるほど、ハサミの開閉数は増えるんです。
ミックス犬人気の影響もあって、ここ数年、軟毛の子がめちゃめちゃ増えています。
ふわっとして可愛いのが人気の秘密なんでしょうが、これまたカットする側からしたら、
「毛が逃げる、切っても切ってもまとまらない(T_T)」 というトリマーさん泣かせの毛質です。
※結果的に、こちらもハサミの開閉数が激増することに…。
CHOKKINシザーに届く、「軟毛の子に手こずっている(T_T)」という声も年々増加しています。これらの被毛に適応するには、より繊細な切れ味が不可欠になってきており、学校の教材用シザーでは、なかなか太刀打ちできなくなってきています。
この2つの原因により、
「ハサミの開閉数が激増」⇒
「カットに時間がかかる」⇒
「時間が足りない」⇒
『もっとカットのスピードを上げなきゃ!!』
というスパイラルになっています。
それだけではありません!
将来の展望的にも・・・
1.飼い主さんの要望 ⇒ インスタグラムやYoutubeが定着していることを考えると、今後も、「可愛くして欲しい」というリクエストは、ますます増えるでしょう。
2.軟毛・毛量の多い子の増加 ⇒ 今、わんこを飼う一番の理由は、「癒し・安らぎ」なので、愛玩犬に人気が集中しています。このトレンドが続く限り、軟毛・毛量の多い子は増え続けるでしょう。
「今でさえ時間が足りないのに、いったいどうすればいいの?」
そんな声にお応えするべく、ここからはスピードアップの解決編に突入します(^^)
切れないハサミとは?
刃先が切れなくなるのは、毎日のカットによる摩耗で、「刃先が丸くなってしまう」から。刃先が丸くなると、「ぐにゃっ」と押し潰すようになってきます。
切れないハサミで切った、人間の毛髪の断面図。押し潰し、引きちぎるようになっているのがわかります。
切れるハサミとは?
よく切れる(1回でスパッと切れる)から、「カットの時短が可能」になるし、よく切れる(思った通りに切れる)から、「仕上がりがキレイ」 になる。
また、よく切れる(手に力を入れなくても切れる)から、「手への負担も少ない」 し、よく切れる(抵抗なく切れる)から、「わんこも痛くない」と良いことづくめなんです。
切れるハサミだと、被毛の切断面もキレイになります。このようにキレイに切れると、なでなでした時の感触もとっても良いのです。なので、飼い主さんの評判も良くなります。
※「切れないハサミを切れるハサミに変える=切れない “ぐにゃ” を、切れる “スパッ” に変える」
⇒スピードが上がるのは当然。
では、本当にスピードアップするのか?トリマーさんの声で検証してみましょう。
(解説)ハサミが切れないと、何度も同じ所にハサミを入れる事になります。切れるハサミで、開閉数が4分の1~5分の1になれば、スピードアップするのは当然ですよね。
(解説)ハサミが切れないと仕上がりにも悪影響がでます。で、何度も同じ所をカットする羽目に(T_T)切れるハサミだと面も1度で決まるので、ここでも時短効果を発揮!
(解説)「よく切れる=思った通りに切れる」ので、ラインも1発(短時間)で決まるのです。
(解説)「切っても切っても出てくる毛」。つまりは、切れてないのです(^^;しないで良い苦労ですね。
(解説)「少ない開閉で理想の仕上がり」=よく切れるハサミを使うと、思った通りに切れてくれるので、無駄な開閉がなくなります。
(解説)切れるとカットが楽しいのです(^^)そして、楽しいから上達も早いのです!
(解説)「毛が逃げる」は、切れないハサミの特徴の一つです。切れるハサミに変えれば一瞬で解決します!
ここまでの内容を動画でくわしく解説しています。
動画・タイムライン解説
0:18 ~「スピードトリミング」と「カットのスピードアップ」の違いとは?
2:24 ~ スピードアップしたいトリマーさんが激増している原因・その1
4:02 ~ スピードアップしたいトリマーさんが激増している原因・その2
6:10 ~ 〇〇〇を減らすだけでスピードが上がる!!~解決編パート1
※ハサミも日進月歩で進化しています。
ハサミの進化の一例として挙げられるのが、「段刃」から「はまぐり刃」への移行です(上図参照)。もちろん段刃のハサミがダメというわけではありませんが、切れ味を追求するなら「はまぐり刃」に軍配が上がります。一番鋭利な刃付けをしやすく、かつ、刃の厚みをもたせやすいのです。
欠点は、作るのが難しい所ですが、鋏作りも、当然、時代の進化についていかなければなりません。
※古いハサミをレギュラーで使っている方は、新しいハサミに変えるだけで、大いにスピードアップが期待できるので、ぜひ一度お試しになってみてください。
(解説)では、こちらも、トリマーさんの声で検証してみましょう。
(解説)「自分のハサミがこんなに切れないものだったとは…」という感想も多いです。多くのトリマーさんは自分のハサミ以外を使う機会が少ないので、なかなか気がつけないんです。
(解説)「ワンちゃんの負担が少ないハサミ=自分にも負担が少ないハサミ」なんです。
(解説)腕が落ちたのではありません。カットに対する要求がドンドン上がっているのです。なので、進化したハサミを使えば、まだまだ全然現役で活躍できると思います。
ブレンディングシザーは、元々スピードアップに特化したハサミなので、上手く使えれば、バツグンの時短効果を発揮します。
一方のカーブシザーは、それ自体、スピードアップに特化したハサミではありませんが、
「ふわっとまーるくをスピーディーにカット!」という、このハサミにしかできない特技を持っています。
※これらのハサミは、「目的特価型シザー」とも言える特長を持つハサミです。
・スピードブレンディング⇒スピードアップ
・ブレードブレンディング⇒軟毛対応・スピードアップ
・カーブシザー⇒ふわっとまーるくをスピーディーに
それでは、この2タイプのスピードアップ効果もお客さまの声で検証してみましょう。
(解説)40分の時間短縮。何というスピードアップ効果!販売している私もびっくりです(笑)
(解説)バリカンみたいなハサミだったら仕事も早そうですね。「カットが上手くなった気がする」 と言う感想も非常に多いです。
(解説)ストレートとスキ鋏のイイトコ取りしたような特長を持っているハサミなので、これ1本でけっこうなところまで持っていけるのです。
(解説)「苦手なカットが楽しくできる」というのは素晴らしいですね(^^)ハサミの進化を実感させてくれる感想です。
(解説)軟毛用ブレンディングシザーの面目躍如です!おそらく他のハサミではなかなか同じようにはいかないと思います。
(解説)ブレンダー系のハサミは作るのが難しいので、ハサミの出来不出来に大きな差があるので要注意!必ず、お試ししてから検討するようにしてください。
(解説)新人トリマーさんにも、ベテラントリマーさんにも、驚きの時短効果を発揮します。
(解説)「こんなに便利なものがあるなんて…」。こういう感想も多いです。これまたハサミの進化を感じさせてくれる感想だと思います。
(解説)ブレンディングシザーのようなザクザクスピーディーではなく、「カタチをスピーディーに作れる」というのがカーブの真骨頂ですね。
(解説)「丸みが簡単」。この一言に集約されていると思います(^^)
(解説)カーブシザーも絶対にお試しせずに買ってはいけないハサミの一つですね。雑な作りのモノは手への負担が特に大きいのでご注意ください。
ここまでの内容を動画でくわしく解説しています。
動画・タイムライン解説
0:33 ~ 前回のおさらい
1:20 ~ 〇〇したハサミでスピードアップ!!~解決編パート2
5:40 ~ ブレンディングシザー・カーブシザーを買う時の注意点
6:23 ~ カーブブレンダー・カーブセニングは、スピードアップの救世主になりうるのか?
カットのスピードアップを実現し、日々のカットを快適にするために、絶対に知っておくべき内容が、この「ハサミのすぐ切れなくなる問題」です。
スピードアップ大作戦に大きく関連する話なので、新たに追加しておきました。
ぜひ、ご覧になってみてください。
動画・タイムライン解説
0:55 ~ 「よく切れる」ってどういう状態??
2:58 ~ 「永く切れる」ってどれくらいの期間?
4:40 ~ 「すぐ切れなくなる」ハサミの正体!!
6:58 ~ すぐ切れなくなるハサミの問題点(1)と見分け方
7:47 ~ すぐ切れなくなるハサミの問題点(2)
9:19 ~ すぐ切れなくなるハサミの使い道